ピアノの原型が誕生したのはいつ?

ピアノの進化の歴史

ピアノの誕生は300年以上前

◆ イタリアで誕生

ピアノは、イタリアで原型が誕生したといわれています。イタリアの楽器製作家バルトロメオ・クリストフォリ・ディ・フランチェスコが、弦をハンマーで打つことで音を出すメカニズムを生み出しました。クリストフォリが発明した楽器は、「ピアノフォルテ」と名付けられ、ピアノ誕生前に誕生していた鍵盤楽器「チェンバロ」よりも豊かな音が出せる鍵盤楽器として世界へと広まったのです。

◆ ウィーンで盛んに制作されるようになった

18世紀後半になるとピアノフォルテを改良した楽器が、音楽の都ウィーンで盛んに作られるようになり、モーツアルトなど有名な音楽家もウィーン式のピアノを使用しました。木のフレームに弦を張るという今のスタイルは、18世紀にはすでに確立されていたのです。

モダンピアノへの進化

◆ より頑丈なピアノが求められるようになった

ウィーン式のピアノが現代の「モダンピアノ」へと進化したのは、18世紀後半から19世紀中ごろのことです。フランス革命以後は、徐々に貴族のためのものだけではなくなって次第に大衆化していきました。そして、技術の進歩や、音楽家がより重厚な音を求めたことから、弦の張力は高くなり、フレームに頑丈な鉄骨が使われるようになったのです。グランドピアノが生まれたのも同じころで、ホールでの演奏に耐えらえる音量や伸びやかな音を出すことができるようになりました。アップライトピアノが誕生したのは、さらに約100年後になります。

◆ 世界各国で製造される

ピアノは19世紀前半になると世界各国で改良を重ねながら製造されるようになりました。現在もより良い音の響きを追求し、部品の改良などはされていますが、その基礎はすでに19世紀後半には確立していたのです。つまり、100年以上前にピアノはほとんど完成の域に達していたとも言えます。楽器としてのメカニズムが確立された後は、質の向上に力が注がれるようになりました。現在は、メーカー各社で弦の張り方や太さ、鉄骨の組み方など様々な工夫がされています。

◆ 鍵盤の数88が標準になったのは第一次世界大戦後

第一次世界大戦後には、88鍵が標準になり、音域がメーカー問わず一定になりました。音域はもちろん、タッチや音の質、音量など、様々な要求に応えながら改良されてきた古い歴史を持つピアノは、ポピュラーな楽器として時代を超えて愛されています。