買取までの流れ
全体の流れを事前におさらいしておきましょう。
不要なピアノを買い取ってもらうことは、お部屋のスペースを考慮しても、また処分方法としてお金に換わるという意味でも有効な手段と言えます。日本国内には多数の買取業者がありますが、それぞれ得意分野を持っており、楽器を専門にしている業者も多いので、こういった買取業者に相談してみることをおすすめします。
一言にピアノと言っても、その質は様々です。価格が高ければ高いほど、より高品な楽器であることは確かですが、一定レベルを超えてしまうと素人には違いが分からないということも多々あります。初心者のうちから良い楽器を使用するのも悪くはありませんが、おおよその場合にはそれなりのクオリティのものを購入することと思われます。そして中級者から上級者になったらより良い楽器を買い求めるのが一般的です。ピアノの質と価格の関係は、実はそのまま買取査定額にも影響を及ぼすことになります。
中古ピアノの中でも最も高値が付きやすいのがグランドピアノで、その価格は50万円以上、物によっては100万円を超えることもあります。スペースを取らず自宅にも置いておけることが利点のアップライトピアノは相場も下がり、安いものだと10万円以下、高くても30万円から40万円程度の価格に留まり、グランドピアノと比較すると高値が付きにくいことが分かりますね。電子ピアノになると更に相場が下がってしまい、高くても5万円、だいたい1万円から2万円の査定を受けることになると思っておいて良いでしょう。
おおよその相場について触れてみましたが、所有しているピアノを売却する上ではこういった相場感が非常に大切になります。買取業者にあまりに低い価格で買い叩かれてしまわないためにも、ある程度の相場は知っておかなければなりません。また相場を知っていれば、買取価格をより高くする方法についても理解がしやすいと思います。まずは自分が持っているものがどのようなグレードで、性能が良いのかどうか、型番や年式などを調査するところから活動を開始することが中古ピアノを高値で売る秘訣です。
まず最初に覚えておかなければならないことは、買取査定額を「アップさせる」方法は限られているということです。そもそも買取査定額はどのように決定されるかというと、型番や年式などの相場を調査した上で、そこから業者の利益や費用などを逆算した上で査定額が算出されることになります。費用にはピアノの修理にかかる費用などが挙げられます。これはリサイクルショップのビジネスモデルとほとんど一緒で、中古の品を仕入れて自社で修理、中古の品としてお客さんに販売する、というフローによって成り立っています。このように査定額は、そもそもの基本となる相場価格から様々な要素を減算していくことによって算出されるわけですから、つまりサービス利用者側からするとアップさせるのではなく、「いかに減額されないか」が重要であると言えます。傷が付いてしまっていることも減算の対象になりますし、音がしっかりと鳴らないことも同様です。既に壊れている場合には、それ以上の傷を付けないように大切に取り扱うことも大切です。
これはピアノに限った話ではありませんが、買取サービスを利用する際には複数の業者に査定の依頼を出しておくのが基本となります。複数業者に見てもらうメリットとしては、まず買い叩かれる可能性が低くなるという点が挙げられます。どの業者へと依頼しても買取査定額はだいたい同じ程度の差になるものですが、1社だけ飛び抜けて低い価格を提示されたのならば、その業者は利用せずに回避できます。ピアノの場合も同様で、例えばA社では50万円だったとしてもB社でも45万円、C社では20万円といったように買取価格が極端に低いケースがありますので、やはり複数社への査定依頼が中古ピアノを高値で売る秘訣と言えます。
この他にも、業者によって得意な分野があることにも着目しておきたいところですね。中古ピアノ買取を専門にしている業者はやはり他の一般的な買取業者と比較して買取価格が高い傾向にあります。これは独自のルートでの販売網を確立していることと、修理ルートも確立されていることに起因しており、徹底したコストカットを実現している証でもあります。専門業者は更にブランドによって専門性を高めていることもあり、例えばカワイに強い業者もいればヤマハに強い業者もいます。アップライトピアノに力を入れている業者やグランドピアノの買取を強化している業者などなど、業者によって特色があり、買取価格についても多少上下することになりますので、こういった事情からも複数社への査定依頼は必要となります。少しでも高く買い取ってもらいたいのであれば、持っているピアノのメーカーや性能をしっかりと調べた上で、より高く買い取ってもらえる業者を探さなければなりません。
この他にも、ピアノの表面を守るカバーや鍵盤を保護する布などの付属品についても値が付けられることがありますので、これらも用意しておきましょう。取扱説明書や保証書、調律の際に必要になるネジやナットなどの付属品についても、あるに越したことはありません。とりあえず用意しておいて損をすることはありませんので、購入当初に一緒に付いてきた物を一通り出しておいた方良いですね。
買取業者にピアノを買い取ってもらう際には、諸費用が発生することになりますが、この費用の負担が利用者側なのか業者側なのかという点についても、業者選びのポイントになります。中でも着目したい費用は、送料や査定の費用についてです。ピアノの買取は出張買取が基本で、商談が成立すると業者はトラックを寄越すことになります。室内から出してトラックに乗せ、自社へと持ち帰るというわけですが、この時発生する出張費用が無料とされているのか有料とされているのかについては、案外重要です。会社から近いほど料金が安く、遠方の場合は高くなるといった料金制度を強いている業者があったり、全て無料としている業者があったりなど、それぞれによってこの出張費の負担は異なります。査定についても同様に、出張費を請求されてしまうケースもありますので、このあたりは査定前に調査しておきたいところですね。何社にも査定の依頼を出すという王道の売却方法を選択するのであれば、出張費がかさんでしまうと思わぬ出費につながりますので注意が必要です。
中古ピアノをより高値で売りたいのであれば、まずは複数の業者へと査定依頼を出すことが大前提になります。また付属品の用意や諸費用の確認についても怠らずに行っておきたいところです。高額査定につなげるためにも、面倒なこともある程度は引き受けて、積極的に動いていくように心掛けてください。